Part 1 オリエンテーション・動画

第3章 AIを使い、検証して進める

動画台本ナレーション全文

Slide 01. AIを使い、検証して進める

Chapter 3では、AIを仕事の流れに入れるときの考え方を扱います。分からないことを聞く、作業の順番を相談する、下書きや小さな修正案を作ってもらう。こうした使い方は、これからの学習でも実務でも自然に出てきます。ここでは、AIに何を任せ、何を自分で確かめ、どう記録するかを練習します。

Slide 02. この章で身につけること

この章のゴールは、AIを使うときに迷ったら戻れる型を持つことです。まず、何のために使うかと、守る条件を決めます。次に、AIに相談してよい作業と、人が最後に決める作業を分けます。出てきた答えは、公式情報を見る、実際に動かす、ほかの人に見てもらう、という方法で確かめます。最後に、判断をログに残します。

Slide 03. 成果物は自分が説明する

AIを使うと、調査の候補、設計メモの下書き、コード案、レビューで見てもらう点が早く出てきます。便利な一方で、仕事として提出する成果物は、自分の言葉で説明できる必要があります。AIが出したから採用するのではなく、目的に合うか、決めた条件から外れていないか、実際に確認できたかを見てから採用します。

Slide 04. 第2章のメモを入口にする

第2章では、メンター向け進捗一覧の目的、ユーザー、制約、見送り案を整理しました。AIに相談するときも、この意思決定メモが入口になります。いきなり、進捗一覧を作って、と頼むのではなく、目的は詰まっている受講者に早く気づくこと、初回ではCSVや自動アラートは対象外、という前提を渡します。

Slide 05. AIの使い道を広げる

AIには、単に答えを聞くだけでなく、次に考えること、作業の分け方、確かめる順番を相談できます。範囲を小さく決めれば、調査の要約、文章の初稿、小さなコード修正案、テストで見るポイントの整理も頼めます。どこまで頼むかと、どう確かめるかを一緒に決めながら、使い道を広げていきます。

Slide 06. 相談しやすい作業

AIに相談しやすいのは、最初の理解を助ける作業です。知らない用語を日常語で説明してもらう。公開してよい範囲のログや資料を要約してもらう。エラー原因の仮説を出してもらう。作業計画や優先順位の候補を並べてもらう。ここでは、AIの答えをそのまま確定せず、考える材料を増やす使い方をします。

Slide 07. 任せやすい作業

慣れてきたら、範囲を小さく区切った作業も任せられます。READMEのような使い方メモ、設計メモのたたき台、変更説明文、テストケースの候補、小さなコード修正案などです。ポイントは、触ってよいファイル、ほしい出力、終わりの条件を先に伝えることです。大きな仕事を丸ごと渡す前に、小さな単位で任せます。

Slide 08. 人が確定する作業

AIに相談できる範囲は広がっていますが、最後に人が決める作業があります。セキュリティ、ライセンスや契約、本番への反映、削除、権限変更、ユーザー価値や事業判断などです。AIの提案は判断材料です。影響が大きいものほど、自分だけで決めず、メンターやチームのルールで確認します。

Slide 09. 聞く前にタスクを定義する

良いAI利用は、良い質問というより、依頼の中身を先に決めることから始まります。何を前に進めたいのか。背景にどんな状況があるのか。守る条件は何か。どんな形で返してほしいのか。最後にどう確かめるのか。これを書いてから依頼すると、AIの出力を仕事に使いやすくなります。

Slide 10. 曖昧な依頼は迷子になる

例えば、進捗一覧機能を作って、とだけ依頼すると、AIはもっともらしい案を返します。ただし、誰のためか、初回でどこまで作るか、CSVが必要なのか、権限をどうするかは分かりません。曖昧な依頼は、速く見えても、あとで確認が増えます。実務の依頼と同じように、背景と制約を添えます。

Slide 11. 良い依頼は背景から始まる

良い依頼では、まず目的を書きます。例えば、メンターが詰まっている受講者に早く気づけるようにしたい。CSV出力と自動アラートは初回では入れない。ここまでを書いたうえで、実装前の不明点、進め方、見送る案、確かめるポイントを出してほしい、と頼みます。不確かなことは断定しないでください、という条件も添えます。

Slide 12. 出力は検証対象にする

AIの出力には、古い情報、存在しないAPI、前提の読み違い、セキュリティやライセンスの見落としが混ざることがあります。だから、そのまま使わず、一度確かめます。採用する前に、何を根拠にできるか、まだ見ていないところはどこかを確認します。

Slide 13. 一次情報で確かめる

技術情報を確認するときは、できるだけ一次情報、つまり公式ページやリポジトリ内の実物を見ます。公式ドキュメント、README、実際のコードです。AIが出したURL、API名、つまり機能名、設定値、コマンドは、確認先を開いてから使います。分からないときは、AIに確認先の候補を出してもらい、自分で開いて確認します。

Slide 14. 実行と差分で確かめる

コードや設定の提案は、動かした結果と差分で確かめます。差分とは、どのファイルのどの行が変わったかです。テストが通るか、ビルドできるか、画面が期待通りに動くかを見ます。AIに修正を任せた場合も、最後に差分を読みます。自分で説明できる状態にしてから提出します。

Slide 15. 入れてはいけない情報

AIに入力する前に、渡してよい情報かを確認します。認証情報、個人情報、社外秘の情報は入れません。認証情報とは、APIキー、パスワード、トークンのように、サービスへ入るための鍵です。迷ったら、名前を伏せる、要約にする、メンターへ相談する。会社や研修のAI利用ルールがある場合は、それを最優先にします。

Slide 16. 著作権とライセンスを見る

AIが作ったコードや文章も、採用前に確認します。外部からコピーしたコードを貼る場合は、どこから来たものか、どんな条件で使えるかを見ます。これがライセンスの確認です。AIが似たようなコードを出した場合も、プロジェクトのルールに合うか見ます。判断できないときは、採用せずに相談します。

Slide 17. AIツールの権限を見る

コードを書くAIツールを使うときは、読む、変える、動かす、の3つを見ます。どのファイルを読めるのか。どのファイルを編集するのか。どのコマンドを実行するのか。ファイル削除、権限変更、本番データに触る操作は特に慎重にします。ツールの操作を覚える前に、影響範囲を確認する習慣を持ちます。

Slide 18. ケースをAIに相談する

第2章のケースに戻ります。メンター向け進捗一覧を考えるとき、AIには、初回リリース範囲、不明点、見送るべき案、確かめるポイントを出してもらえます。渡すのは、ケース教材と意思決定メモの要約です。実在する受講者名、メールアドレス、成績データ、秘密情報は渡しません。必要なら、名前や数字を伏せて相談します。

Slide 19. 採用、見送り、未検証に分ける

AIが、未提出者フィルタ、CSV出力、自動アラートを提案したとします。未提出者フィルタは、詰まっている人に早く気づく目的に近いので採用候補にします。CSV出力と自動アラートは、初回の範囲からは見送ります。誰がどの受講者を見られるかは、既存実装を見ていないので、未検証として残します。

Slide 20. AI利用ログを残す

AI利用ログは、AIを使った証拠ではなく、自分が検証した証拠です。全会話を貼る必要はありません。目的、渡した情報、主な提案、採用、見送り、未検証、確認方法を書きます。例えば、未提出者フィルタは採用候補。CSVは初回では見送り。権限は既存実装を確認するまで未検証。判断と検証が後から追えれば十分です。

Slide 21. 演習1 AI利用計画

最初の演習では、AIに聞く前の計画を書きます。第2章で作った意思決定メモを読み、AIに相談したいことを3つに絞ります。渡してよい情報と、渡してはいけない情報を分けます。依頼文には、目的、背景、ほしい出力、入れてはいけない情報、どう確かめるかを書きます。成果物はAI利用計画です。

Slide 22. 演習2 ログから次へ

次の演習では、承認されたAIツールで相談し、出力をログにまとめます。提案を、採用するもの、採用しないもの、まだ未検証のものに分けます。2つ以上を、公式情報、既存資料、実行結果、テスト計画のどれかで確認します。AIを使った仕事は、依頼して終わりではありません。次章では、このログを相談や変更説明に使います。

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